はじめに
「コミュニティマーケティングについて最近よく聞くけど実際どうなの?」
「競合他社のコミュニティと差別化するにはどうすればいい?」
「どうすれば効果的にコミュニティを運用できる?」
インフルエンサーや企業を起点とした「コミュニティマーケティング」が近年盛り上がっています。しかし、ノウハウをまとめた参考書やセミナーが乏しく、実践のイメージがついていない企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、コミュニティマーケティングのノウハウを網羅的に紹介していきます。コミュニティとマーケティングの掛け合わせで、一般ユーザーとの接点作りなどの可能性を広げていきましょう。
目次
コミュニティマーケティングとは?
コミュニティマーケティングとは、企業と顧客、または顧客同士の繋がりを深め、関係性を構築することで、企業やブランドの価値を高めていくマーケティング手法です。
コミュニティマーケティングでは、企業はコミュニティの場を提供し、顧客同士が交流できるような機会を設けます。顧客はコミュニティ内で、製品やサービスに関する情報交換や意見交換を行い、企業はその情報を活用して製品やサービスの改善に役立てます。
コミュニティマーケティングは、顧客のロイヤリティを高め、長期的な関係を築く上で非常に有効なマーケティング手法です。
コミュニティマーケティングのメリット・デメリット
メリット
- 顧客のロイヤリティ向上:コミュニティに参加する顧客は、商品やサービスに対する愛着や信頼が高まりやすく、ロイヤリティの向上につながります。
- 顧客の声を直接聞ける:コミュニティを通じて、顧客からのフィードバックや要望を直接収集できます。
- 口コミ効果:コミュニティの活発な活動は、SNSやブログなどで自然な口コミを誘発し、ブランドの認知度向上に繋がります。
- コスト効率:コミュニティ運営は、従来の広告宣伝に比べてコストを抑えられます。
デメリット
- 効果が出るまでに時間がかかる:コミュニティが活性化し、成果が出るまでには時間がかかります。
- 炎上リスク:コミュニティ内での不適切な発言や行動は、炎上につながる可能性があります。
- コミュニティ運営の負担:コミュニティの企画、運営、管理には、人的・時間的なリソースが必要です。
「コミュニティマーケティング」と「ファンマーケティング」の違いとは?
ファンマーケティングとは、商品・サービスを提供する企業が顧客(ファン)に向けて行うマーケティング活動全般を指します。
ファンマーケティングは、企業が主催するキャンペーンやイベント、SNSなどを用いて顧客との信頼関係を構築したり、顧客のロイヤリティを高めたりすることを目的としています。
コミュニティマーケティングとの違いは、主体が企業か、それとも顧客かという点です。コミュニティマーケティングでは、企業がコミュニティの形成を支援し、顧客同士が交流する場を提供することで、顧客エンゲージメントを高めます。一方、ファンマーケティングでは、企業が顧客に対して直接的なコミュニケーションを図り、ブランドロイヤリティを高めることを重視します。
コミュニティマーケティングは「横のつながり」、ファンマーケティングは「縦のつながり」を意識すると分かりやすいかもしれません。
新たな経済圏を生み出す「ファンコミュニティマーケティング」の考え方
ファンコミュニティマーケティングでは、ブランドの世界観やビジョンを共有し、熱量の高いファンを巻き込みながら、ユーザーと企業で共創関係を構築していきます。従来のマーケティング手法と比較して、よりエンゲージメントが高く、売上にもつながりやすいのが特徴です。
ファンコミュニティマーケティングで得られる効果
- ユーザーコミュニティ形成:熱量の高いファン同士がつながることで、コミュニティが自然と形成されます。
- LTVの向上:コミュニティに参加しているユーザーは、継続的な利用が期待でき、顧客生涯価値(LTV)が向上します。
- 広告費の削減:コミュニティ内でユーザーが自発的に情報を拡散してくれるため、広告費を削減できます。
- ファンの声を基にした改善:コミュニティ内で得られたフィードバックを参考に、製品やサービスの改善を進めることができます。
- ブランドロイヤリティの向上:コミュニティに参加しているユーザーは、ブランドに対して深い愛着を持つため、ブランドロイヤリティが向上します。
「ファンコミュニティマーケティング」とは何か
「ファンコミュニティマーケティング」とは、ブランドと共通のビジョンを持ったユーザーにアプローチし、新たな経済を構築することです。コミュニティマーケティングとファンマーケティングの良いところを合わせ、弱点を補ったようなイメージの新たなアプローチ手法だといえます。
企業はまず、商品やコンテンツのファンを主にオンラインへと集めます。そしてファン同士の繋がりや交流が生まれるよう促し、コミュニティ化することが特徴です。
従来のコミュニティマーケティングは、経済化できたとしても、メンバーの満足度を高めたことで発生する、いわば内向きの限定的な売上にすぎませんでした。しかしファンコミュニティでは、メンバーによる積極的な交流やオープンな発信で、ファンコミュニティ外にいる見込み顧客の興味を惹きつけられれば、新規の売上を拡大させることができるのです。
細分化された価値観へアプローチする
ファンコミュニティマーケティングでは、細分化された個々の価値観に対し、ピンポイントでアプローチすることができます。
企業が持つファンコミュニティによる経済圏を、「オウンドコミュニティ」と呼びます。1つずつは小さな集まりでも、自社でいくつものファンコミュニティを持つことが、次世代のマーケティングでは重要です。
今までのマーケティングは、価値観よりも立場(属性)に重きを置いたターゲット思考でした。しかし、多様な価値観が生まれた現代では、特定の立場(属性)に向けた一斉のアプローチ手法には限界があります。
「マーケットイン」が効きづらくなった理由と、その解決方法
ファンコミュニティマーケティングは、従来のマーケット手法の弱点の解決にも寄与することができます。従来は、市場や顧客のニーズを理解し、それに基づいて製品やサービスを開発する「マーケットイン」の手法が多く取られていました。
しかし価値観の多様化により、近年では、ニーズが生まれ変わるサイクルが激しくなり、トレンドをキャッチした頃には話題の鮮度が落ちているといった弱点が生まれています。
商品開発の途中で次のニーズや価値観が生まれているケースもあり、供給した頃にはすでにトレンドとして遅れをとっていることも。
そこで、ファンコミュニティマーケティングでは、「マーケットアウト」の考え方を取り入れます。コミュニティ内のUGC(ユーザー生成コンテンツ)から発生したインサイトを供給することで、ズレのない施策を実行できるのです。
まとめ:記事のポイントをおさらい
この記事のポイント
- ✓コミュニティマーケティングは、顧客同士の「横のつながり」を重視し、エンゲージメントを高める手法
- ✓ファンマーケティングとは、企業と顧客の「縦のつながり」を重視する点で違いがある
- ✓ファンコミュニティマーケティングは、両者の良いところを合わせ、新たな経済圏を生み出す
- ✓細分化された価値観にピンポイントでアプローチできるのが強み
- ✓「マーケットイン」の限界を、コミュニティ内のUGCから得られるインサイトで解決できる
弊社リデルでは、SNS・インフルエンサーマーケティングで蓄積した7,000社以上の実績データをもとに、企業の「ファンコミュニティづくり」を支援しています。コミュニティ運用に課題を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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