マーケティング

共創マーケティングとは? 運用方法から成功事例まで完全解説

共創マーケティングとは何か?新たなニーズを生み出すファンコミュニティの活用方法

はじめに

企業と顧客の関係は、もはや「売る側」と「買う側」だけではありません。ファンやユーザーとともに"価値を共に創る"――それが「共創マーケティング」です。

SNSやオンラインコミュニティの普及により、顧客が自らアイデアを出し、商品企画やプロモーションに参加する時代が到来しました。

単なる製品開発にとどまらず、「見せ方」「伝え方」「体験の設計」までも共に考え、共に育てていく。そのプロセスこそが、ブランドの信頼と新たな経済圏を生み出す原動力となります。

目次

マーケティングで重要な「共創」の考え方

従来の広告手法では限界を感じている企業が増えています。UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用したハッシュタグキャンペーンは、特定の価値観にピンポイントで深く刺さる広告として機能します。

ハッシュタグを活用したUGCの募集は、UGCを集めるために効果的です。ハッシュタグを設定する際は「コミュニティ内で使われているか」「ユーザーが親しみやすいか」を意識しましょう。

良質なUGCが集まるハッシュタグの運用3つのポイント

  1. ハッシュタグの目的を明確にする

    商品に関するUGCを増やしたい、イベントに関するUGCを増やしたいなど、目的を定めることが大切です。

  2. 投稿キャンペーンを実施する

    特定のハッシュタグをつけて投稿してくれたユーザーに、プレゼントを提供するなどの魅力的なキャンペーンを実施しましょう。

  3. ユーザーとの交流を深める

    ユーザーの投稿に積極的にコメントしたり、いいね! したりして、ユーザーとの関係性を深めましょう。

協働を作り上げるのに欠かせない「コアコミュニティ」の存在

UGCが集まる「共創」状態を作るには、「場づくり」が非常に重要です。ファンコミュニティを盛り上げるために必要な4つの要素を解説します。

①【心理的安全性】否定されない安心感

メンバーが安心して発言できる雰囲気づくりが大切です。メンバーの発言を尊重することで、心理的安全性が生まれ、活発な意見交換につながります。

②【参加意識】自分もコミュニティの一員であるという意識

アンケートやイベントでメンバーの意見を積極的に取り入れることで、参加意識を高められます。

③【多様性】さまざまな意見や価値観

さまざまな意見や価値観が共有されることで、新しいアイデアや発見が生まれやすくなります。

④【目的の一致】コミュニティ全体の目標

目標が明確であれば、メンバーは同じ方向に向かって活動しやすくなり、一体感が生まれます。

コアコミュニティを活性化させる4つのポイント

1. イベントに参加しやすい仕組みを作る

イベントの告知は徹底的に行い、参加のハードルを下げることで、より多くのコアファンが参加できるようにしましょう。

2. コアファン限定の特典を提供する

限定グッズのプレゼント、先行販売、特別なイベントへの招待など、様々な特典を用意することで、コアファンの満足度を高められます。

3. コアファンの意見を積極的に取り入れる

アンケートを実施し、座談会を開催するなど、コアファンの意見を積極的に取り入れることで、商品開発やマーケティング戦略に活かすことができます。

4. コアファンを「アンバサダー」として認定する

アンバサダーには、特別な役割を与え、ブランドの顔として活動してもらうことで、他のコアファンのモチベーションを高めることができます。

コミュニティをユーザーに自分ごと化してもらうための5ステップ「5VALUE」

1. Connect(繋がり)

コアファンを作るために、熱量の高いユーザーと深い関係を構築します。あえて狭い範囲のユーザーと密に繋がる「マイクロコミュニティ」を形成しましょう。

施策例: グループインタビュー、座談会

2. Interact(交流)

「繋がり」のステップで関係を作った「マイクロコミュニティ」のメンバーと交流を深め、接触頻度を高めます。

施策例: SNSのDMでフォローアップ

3. Share(共有)

ユーザーの知識理解欲へアプローチします。ブランドから知識を提供すると、ユーザーは商品理解が進んでよりクオリティの高いUGCを作れるようになります。

施策例: 事前説明会つきのタイップ企画

4. Empathy(共感)

「共有」されたアイデアに対し、ユーザーや運営が「それ、いいじゃん!」と共感・感情移入する段階です。

施策例: 工場見学などの体験型企画

5. Vision(目的)

「共感」のステップまでに生まれたアイディアを実現しようと、ユーザーと運営の間に共通の目的意識が生まれます。これにより、最初は狭い範囲から集めていた「マイクロコミュニティ」が拡大するきっかけとなります。

共創コミュニティの運用事例

事例①: 株式会社ワークマン

ワークマンは元々、ワーキングウエア(作業服)を中心に販売する、働く人に向けた小売店です。ところがSNSに目をやると、キャンプの愛好家やバイクライダーから、衣服の機能性を高く評価されていることに気づきました。

そこで働く人に限らず様々なジャンルのファンをアンバサダーとして起用し、商品開発やネーミング開発に携わってもらったのです。協働により、自社では出てこないような斬新なアイデアを商品に反映するなど、新たな売上チャンスへと発展しました。

事例②: 株式会社大丸松坂屋百貨店

大丸松坂屋百貨店では、社内ベンチャーとしてファッションのサブスク(定額・定期購入)サービスを展開。新しい視点のサービスを世間に打ち出すのに協働・共創を取り入れています。

例えば、サービスのターゲットに近いユーザーから声を集め、見込み顧客に等身大の口コミを広めました。また、ローンチ施策ではインフルエンサーに向けた先行登録期間を設け、「5VALUE」のサイクルを意識しました。

まとめ: 記事のポイントをおさらい

  • ファンコミュニティの運用は、従来の広告手法の弱点を解決できる
  • UGCは「特定の価値観」にピンポイントで深く刺さる広告になる
  • 共創とは、UGCを元に新たな経済が生まれること
  • 共創を活性化させるには、まずブランドとコアファンの間で協働を作ること
  • 協働を生むためには、「コアコミュニティ」の存在が重要
  • 「5VALUE」でコアファンにブランドを自分ごと化してもらう

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