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「運営」と「運用」を使い分ける。熱量をデザインする7つの鉄則

2025年12月21日

「運営」と「運用」を使い分ける。熱量をデザインする7つの鉄則

はじめに

コミュニティを立ち上げたものの、「当初の想定より成果が出ない」「とにかく盛り上げなければと焦って疲弊している」という悩みを抱える担当者は少なくありません。こうした状況に陥る最大の原因は、コミュニティの全体設計を行う「運営(マネジメント)」と、現場を動かす「運用(オペレーション)」が混同されていることにあります。

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まとめ

  • 「戦略(運営)」と「実務(運用)」を明確に分けることで、場当たり的な盛り上げ施策による疲弊を防ぐ
  • 計画通りのPDCAではなく、違和感や兆しを察知する「CDCAサイクル」と「KFI(感情指標)」を取り入れる
  • 運営者は「管理者」ではなく、焚き火を見守る「番人」のように振る舞い、メンバーと同じ目線で熱量を共有する
  • 短期的な売上ではなく、信頼という「関係資産」の蓄積こそが、AI時代におけるコミュニティの真の成果である
コミュニティマネジメント交流:混乱から接続へ

まず言葉の定義を整理しましょう。「運営」とは、全体の方針や成長戦略を描く舵取りの役割です。一方で「運用」は、その方針に基づき、日々の投稿やコメント返信などで実際に現場を動かす役割です。ここが曖昧なままだと、目の前の投稿数やリアクション数に一喜一憂し、長期的なブランド価値につながらない場当たり的な施策を繰り返す「負のループ」に入り込んでしまいます。

数字には表れない「雰囲気の変化」や「小さな違和感」をまず「感知(Cognition)」し、それを起点に行動する。その際、定量的なKPI(成果指標)だけでなく、メンバーの感情の動きを捉える「KFI(Key Feeling Indicator:感情指標)」を補助線として持つことで、コミュニティの「体温」を正確に把握できるようになります。

コミュニティ運営の真髄:「余白」と「対話」が育む関係資産

しかし、日々の業務に追われていると、この「感知」がおろそかになりがちです。だからこそ、投稿作成やデータ確認といった定常業務を徹底して「ルーティン化」し、担当者の脳内リソースに余白を作ることが欠かせません。その余白があって初めて、メンバーの「声なき声」に気づき、関係性を育てるための対話が可能になるのです。

しかし、日々の業務に追われていると、この「感知」がおろそかになりがちです。だからこそ、投稿作成やデータ確認といった定常業務を徹底して「ルーティン化」し、担当者の脳内リソースに余白を作ることが欠かせません。その余白があって初めて、メンバーの「声なき声」に気づき、関係性を育てるための対話が可能になるのです。

また、日々の運用においては、運営者自身のスタンスも問われます。メンバーに完璧な対応をする「管理者」や、商品を売り込む「販売員」になる必要はありません。むしろ、弱みや失敗談もさらけ出しながら、メンバーと共にその場を楽しむ「仲間」としての振る舞いが、安心感と親近感を生み出します。「正解」を教えるのではなく、「あなたはどう思う?」と問いを投げかけ、メンバーの物語(ナラティブ)を引き出すこと。そうした小さな対話の積み重ねが、やがて強固な信頼関係となり、競合他社が模倣できない独自の文化へと育っていくのです。

昨今、AIによる効率化が進み、機能や価格といった「スペック上の差」はすぐに模倣されるようになりました。そのような時代において、企業が生き残る鍵は「機能」ではなく「意味」にあります。コミュニティ運営の仕事とは、激しく燃やし尽くすことでも、消してしまうことでもなく、静かに熱が消えないように見守り続ける「焚き火の番人」のようなものです。

「どれだけ売れたか」という短期的な成果にとらわれず、「どれだけ深い関係を築けたか」という視点にシフトすること。それこそが、これからの時代に企業がコミュニティを持つ最大の意義となるのです。

出典: 『オウンドコミュニティ』(LIDDELL Inc.) 掲載先: COMMUDA

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