SNS時代の推し活マーケティングとは? 推しに貢献するファンの共感を掴む方法

Z世代を中心に広がる「推し活」は、今や経済を動かす大きな力となっています。ファンが商品を購入したり、イベントに参加したりする行動は、単なる趣味や楽しみを超え、企業の売上に大きな影響を与えているのです。
では、推し活をマーケティングに取り入れ、売上を伸ばすために企業は何をしたらよいでしょうか。それは、推し活の魅力を効果的に発信するファンインフルエンサーとSNSでタイアップし、ファンの共感を掴むことです。
目次
推し活マーケティングとは
Z世代を中心に広がる推し活は、ファンが「推し」のアイドルや芸能人などを応援する行動を指します。これに対し、推し活マーケティングとは、この応援行動を企業の販促に活用する戦略のことです。
企業にとって、ファンが推しのために商品を購入したり、SNSで推しに関する情報を拡散したりする行動は、自社ブランドの認知拡大や売上向上を図る絶好のチャンスです。
推し活マーケティングによる経済効果
ファンが推しに使う目的・お金の使い道
ファンは推し活にどんなことにお金を使っているのでしょうか。リデルの独自調査の結果、「グッズ購入費」(65.4%)と「ライブ・イベントチケット代」(64.2%)が上位となりました。
また、遠征してライブやイベントに参加するファンも多いことから、「宿泊費」(33.3%)や「交通費」(36.5%)も高い割合となっています。企業は、これらのデータから、グッズ販売以外にも、交通手段との連携や宿泊プランを検討するなど、ファンのニーズを捉えた多角的な戦略を立てることが重要です。
Z世代はどんな「推し方」をしている?
Z世代のファンは、SNSを情報収集の場として活用する傾向が非常に高く、96.2%が「情報収集はSNSで」と回答しています。また、半数以上が「推し友と語り合う」(52.2%)と回答しており、共通の趣味を持つ仲間との交流も重要視していると考えられます。
企業は、SNSでの情報発信だけでなく、ファン同士が交流できるイベントやコミュニティの提供も検討することで、より深いエンゲージメントを築ける可能性があります。
推し活マーケティングとSNSの関係性が強い理由
ファンが最も好きなコンテンツ
調査の結果、66.7%のファンが「日常の様子やオフショット」を最も好むと回答しました。日常の何気ないスナップや、リラックスした表情を見せるオフショットは、ファンにとって親近感を覚える貴重な機会です。
これらの結果からわかるのは、ファンが推しとの「近さ」や「リアルな一面」を重視している点です。SNSを通じて推しのリアルな一面や日常を垣間見ることで、エンゲージメントを構築するとともに、高い満足感につながっています。
参加型コンテンツの実施
企業がファンとの絆を深めるためには、参加型コンテンツの実施が不可欠です。たとえば、「#推しのココがスゴイ」といったハッシュタグを作成し、ファンが自ら推しの魅力を発信する企画は、ファン同士の交流を促進し、コミュニティを活性化させる効果が期待できます。
企業の裏側を見せる
企業の裏側を見せることは、ファンとの信頼関係を築く上で非常に重要です。工場の様子や、商品開発の舞台裏、イベント準備の様子などを公開することで、ファンは企業をより身近に感じ、応援したい気持ちが高まります。
ファンの日常的なSNS交流は半数以上
77.4%のファンがSNSを通じて、同じ推しを応援する他のファンとつながった経験があることが分かりました。同じ推しを応援しているファン同士のつながり方として、50.9%が「SNSでのリプライやメンションを通じた日常的な交流」と回答しています。
この結果から、SNSはファン同士の主要なコミュニケーションツールであると同時に、企業の販促にもスムーズな導線となっていることが明らかです。
推し活マーケティングはファンとのタイアップが効果絶大
推し活マーケティングを成功させるには、フォロワー数が多く影響力のあるファンインフルエンサーを起用することが鍵となり、驚異的な効果を生み出します。自分自身がファンだからこそ、推しの魅力を最大限に引き出し、さらにファンの共感を生む発信が得意です。
同じファンの気持ちが分かるから
ファンインフルエンサーは、自分自身もファンであるからこそ、高い共感を呼ぶ投稿が可能です。「公式写真やファンアートのシェア」(23.3%)では、推しの魅力をわかりやすく伝え、他のファンも一緒に盛り上がれるきっかけを作ります。
また、「推しグッズやコラボ商品の紹介」(18.9%)では、実際の使用感やおすすめポイントを共有し、購入を後押しする力があります。同じ推しを応援する気持ちを大切にした発信だからこそ、多くのファンの心に響き、自然と広がりやすくなるのです。
反応が良い投稿を分析しているから
タイップが効果的なもう一つの理由は、ファンインフルエンサーが「どんな投稿が反応を得やすいか」をしっかり分析している点です。「ライブイベント等に関連した投稿」が37.1%で最も反応が良く、続いて「公式写真やファンアートのシェア」(17.6%)や「推しのグッズやコラボ商品の紹介」(13.8%)も高い支持を得ています。
さらに、これらが投稿されるSNSの85.4%が「Instagram」です。Instagramは、写真や動画で推しの魅力を伝える最適なプラットフォームであり、その密接な関係性がマーケティング効果をさらに高めています。
推し活アカウント運用中のインフルエンサー紹介
今回は、推し活アカウントを運用し、多くの共感を集めている「Miruさん (@22_nowonsale)」について紹介します。彼女の投稿には、推しである「菊池風磨」さんの魅力を最大限に引き出し、ファンがフォローしたくなる工夫が詰まっています。
ファン圧巻の「UGCコンテンツ」
Miruさんのアカウントで注目されるのは、推しの「菊池風磨」さんへの愛が詰まった圧巻のUGC(ユーザー生成コンテンツ)です。誕生日には、バルーンや写真で彩られた特別な空間を演出し、多くのファンの心を掴んでいます。
たとえば、このような投稿に「使用したバルーンセット」や「デコレーション素材」のリンクを添えることで、企業の商品が直接販促につながる可能性があります。UGCは、リアルな熱量とファン目線での商品活用例を示すことで、他のファンの購買意欲を自然に引き出します。
タイップ企業は無限大「掛け合わせコンテンツ」
一見すると、ネイルの投稿は、推し活マーケティングとは無関係に思えるかもしれません。しかし、そこに推しの名前や象徴的なデザインを取り入れるだけで、特別な意味を持つコンテンツに早変わりします。
たとえば、推しの名前や象徴的なデザインを取り入れたネイルアートは、ファンの心をくすぐり、ネイルサロンへの誘導や予約増加に効果的です。このように、「推し」を切り口にした掛け合わせは、どんな企業にもチャンスをもたらします。
企業が推し活マーケティングを成功させるポイント
最後に、推し活マーケティング成功のために覚えておきたいポイントを紹介します。SNSでファンに「共感」してもらうには、以下の4つの点がとても重要です。
1. 商品ではなく推しを主役にする
推し活マーケティングでは、企業の商品を前面に出すのではなく、推しを引き立てることがとても重要です。ファンが「推しのために買いたい」と思う心理をくすぐる仕掛けを作ることで、自然な購買行動を促せます。
2. Z世代へのアプローチを意識する
推し活の中心にいるZ世代は、SNSを通じて推しの情報を発信・共有しています。この世代に響くトレンドやデザイン、ストーリー性を取り入れたプロモーションを展開しましょう。特にInstagramやTikTokなど、彼らが日常的に使うプラットフォームでの施策が効果的です。
3. 参加型やシェアしたくなるコンテンツを作る
ファンが楽しみながら参加し、他のファンと共有したくなるような企画を作ることが大切です。たとえば、推しのカラーを使ったグッズやフォトコンテストは、SNSでの投稿や拡散につながります。
4. ファンとのエンゲージメントを築く
推し活マーケティングでは、「推しを広めたい」「推しとつながりたい」というファン心理を理解することが重要です。この愛情や応援心に応える形で、コメントやリツイートを通じて交流を深めると、ファンは満足感を得られます。
まとめ
今の時代、推し活マーケティングはSNSと深く結びついています。その中でも、ビジュアルで推しの魅力を伝えるInstagramは特に効果的です。Instagramの特性上、ファンの共感を呼び起こしやすいのも1つのポイントです。
本記事の結論として、推し活マーケティングの成功には、ファン心理を熟知したファンインフルエンサーとのタイップが最適です。彼らの共感を生む力と影響力を活用することで、ブランドや商品の魅力を効果的に拡散できます。
また、推しを主役に据え、ファンとのエンゲージメントを深めることで、ファン心理を的確に捉えた高いマーケティングが可能になります。ただ商品を売るのではなく、ファンの「推しを応援したい」という気持ちに寄り添い、自社との掛け合わせを行っていきましょう。